• 投稿カテゴリー:小説執筆
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noveRe:を利用する作家さんにお話を伺うと、執筆に際してプロットを作る方とそうでない方に分かれます。

プロットを作らない方は「プロットを作らないので展開が矛盾していないか心配です」とおっしゃいます。

プロットを作る方は「プロットは作っているのですが展開が矛盾していないか心配です」とおっしゃいます。

……むむむ?プロットがあってもなくても、ストーリー展開に矛盾が生じる可能性があるということでしょうか。

プロットって必要なのでしょうか。プロットを作った場合のメリットやデメリットを挙げ、必要性を考えてみました。

プロットを作るメリット

プロット

プロットは遠足のしおり、予定表です。遠足のしおりがなくても遠足に行けるのと同じように、プロットがなくても小説は書けます。

ではなぜプロットを作るのか。「メリット」があるからですね!

物語の全体像が俯瞰できる

宿泊地が決まっていない弾丸ツアーは楽しいですが、ちょっと不安です。宿泊地が決まっていても、降車駅やタクシー乗り場が分からなければ迷子になるかもしれません。

どの駅で降りるのか、どこでタクシーに乗るかが決まっていれば道に迷わず宿泊地にたどり着き、野宿は免れるでしょう。

小説にも同じことがいえます。結末が決まっているのはもちろん、その間の大雑把な展開が決まっていれば執筆で迷うことはありません。

今自分は地図上のどこにいるのか、というのも即座に把握できるのではないでしょうか。

執筆スピードが上がる

プロットを作らないと「さて次はどんな展開だったかな」と思い出す作業が必要です。

次の展開を考えていない場合は更に時間がかかりますし、思いついた展開次第では前に戻って手直しが必要になることもあります。

プロットがあれば、それが指示書の役割を果たし、指示書に沿って書いていけば物語は破綻せずに完成するでしょう。

予定が立てやすい

スケジュール

公募や同人誌印刷など「締切」が決まっているときにもプロットが役立ちます。

例えばプロットの半分まで執筆した段階で1週間かかったのであれば、あと1週間でおおよそ書き上がるだろうという予測ができるのです。

あるいはその日数を目標に執筆することもできます。

締切までの日数が迫っているのであれば、1日どれくらい執筆を進めれば間に合うのか、という計算もしやすくなるでしょう。

物語が魅力的かどうかの判断材料になる

小説のプロットとして、どうでもいい項目を書き出す方は少ないでしょう。大抵は物語の大事な場面を書き出して作るはずです。

ということは、プロットを見るだけで物語の展開や起伏がある程度理解できます。プロットを見て「面白い」と思えれば、その物語は多くの読者を魅了するでしょう。

プロットを見て「つまらない」と思っても、物語がつまらなくなるとは限りません。この点については京極夏彦先生の興味深いお話がありました。

第94回 京極夏彦(作家)×黒木あるじ(作家)対談|ピクシブ文芸

ピクシブ文芸は、幻冬舎とpixivが共同運営する、文芸小説の投稿サイトです。

プロットを作るデメリット

紙ごみ

執筆を効率的に進めることができるプロット。良いことずくめのように思えますが、必ずしもそうではありません。

プロットを作るデメリットとは、一体何でしょうか。

プロットを作ることが目的化する

プロットはあくまで指示書です。指示を受けるのは自分自身ですから、指示書を完璧に仕上げる必要はありません。言い回しが変でも誤変換があっても、単語だけでも箇条書きでもいいはずです。

しかし「プロット完成」を1つの目的にしてしまうと、プロット作成に時間を注ぎ込んでしまいます。

またプロットを1から10まで固めないと、本来の目的「執筆」に移れない方もいるでしょう。

プロットの内容を再度書き直す感覚が無駄に感じる

プロットの段階でかなり詳細まで書き込む方は、いざ執筆に入るとプロットの加筆修正作業のように感じてしまうようです。

プロットのボリュームが大きくなりがちな方は、プロットなしで執筆したほうが進みが早いかもしれません。

柔軟な執筆ができなくなる

プロットがあると、そこから離脱しないように注意しながら執筆を進めるため、新しいアイディアを取り入れることに消極的になりがちです。

プロットなしで思いつくままに執筆している場合は、新しいアイディアを取り入れて後半で帳尻合わせをすることができます。

プロットの必要性は人によって異なる

ノート

小説執筆にはプロットが必要だとされていますが、なくても小説は書けます。プロットがあれば良い小説が書けるわけでもありません。

紙なりPCなりに書き出さなくても、プロットの要素が頭の中に入っていてすぐに取り出せる状態にあれば、「プロット」というアウトプットは不要でしょう。

また、ストーリーではなくルポルタージュを書く方に必要なのは、取材内容の書き起こしであってプロットではありません。

「プロット」という形にこだわることで執筆がスムーズに進まないのは本末転倒ですし、無計画に執筆して内容が矛盾するのは以ての外。

執筆に際して「必要な情報」をまとめておくだけでも十分ではないでしょうか。

こんな方はプロットを作るとうまくいくかも

読書

プロットの必要性は作家個々で異なります。ではプロットを作ったほうがいい方にはどんな特徴があるのでしょうか。

いくつかご紹介します。

作品が完結しないことが多い

最初はハイペースで執筆できていても、途中の展開で悩み、落とし所で悩み、結末まで書けない方がいます。このケースではプロットを作るのがベストです。

A→B→C→D→Endと書き進めていくのであれば、まずはBを目指し、次にCを目指す。CからDの展開に悩んだら、最終的にDに落とし込むことを目標にすればいいんです。

経由地を予め決めて確実に通っていけば、目的地=完結を見失うことはありません。

長編を執筆する

長編は物語の中に小さな物語がいくつも詰まっています。A→(a→b→c→d)→B→C……、のようなイメージです。

A〜Endまでの流れの中に、小さな物語をどこにどう配置したら面白いか、無理のない展開になるかを整理するためにはプロットが大活躍します。

こうしたケースで活用したいのが、プロット項目の入れ替え・並べ替えが簡単にできるプロット作成アプリです。

例えば「ストーリープロッター」は作品に詰め込みたい要素をどんどん書き込み、自由に並べ替えることができます。スマホアプリなので、移動中にふと思いついた展開も即座にメモできますね。

ストーリープロッター - ネタ から プロット を-

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いつも中盤が盛り上がりに欠ける

noveRe:では30万文字を超える作品のご依頼も珍しくありません。飽きずに読み進められる長編作品の特徴は、ズバリ「中盤が面白い」点です。

作品冒頭や結末に読み応えがあるのは当然として、中盤は伏線を張ったり「嵐の前の静けさ」を出したりと、展開が平坦になりがちではないでしょうか。

プロットを作り、それぞれの展開における盛り上がり度を5段階で書き入れてみてください。1や2が長く続くようであれば展開を入れ替えるか、新しい展開を加えるなどの工夫が必要かもしれません。

プロットあり・なしを経験してみよう

双方向

「シャイニング」でおなじみのスティーブン・キングはプロットを作らないといいます。それでも複雑に絡み合った物語が生み出せるわけです。

小説全体の長さやジャンルによってもプロットの要不要は異なります。重要なのは「自分にとって」プロットが必要かどうかです。

今までプロットを必ず作っていた方はプロットなしで執筆してみてはいかがでしょうか。プロットを作ったことがない方は作ってみてはいかがでしょうか。

またプロットという形にこだわらない「執筆メモ」もオススメです。こちらは別の記事でご紹介します。

noveRe:では皆さまの「こんなところを読んでほしい」「ここに注目して感想がほしい」といったご希望を事前にヒアリングしています。

物語の起伏に不安がある方は、ぜひnoveRe:にご相談ください。