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書店に行けばプロの手によって仕上げられた小説が沢山並んでいます。

小説本って、出版社を通さないと作れないのでは?そんな事はありません!

同人誌即売会では、市販の小説と見紛うほど完成度が高い小説本がファンを魅了しています。

いつか自分の作品を「本」にしたいけれど、費用が気になる方。

数冊だけ印刷したいから業者に頼むのはちょっと……とためらっている方。

小説の書籍化は誰でも簡単にできる「趣味」だと考えましょう。

今回は小説を紙の本にする手段をいくつかご紹介します。

データ小説が紙の本になるまで

縦書き

引用元:江戸川乱歩/人間椅子 https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/card56648.html

手元にあるデータ小説は、以下の工程を経て紙の本になります。

    1. データのレイアウト
    2. 印刷
    3. 製本

データのレイアウトはご自身で行う必要がありますが、場合によってはプロの手を借りることも可能です。

以降、基本的には印刷・製本に焦点をあてることにしましょう。

すべて印刷所にお任せする

型押し

印刷所・製本所に依頼して本を作れば、市販書籍と同レベルのクオリティで仕上がります。

また印刷した本を自宅以外(即売会会場等)に郵送してくれるサービスもあります。

    • 製本冊数が多い
    • 即売会向けの本
    • 印刷方法や用紙にこだわりがある
    • 記念の一冊にしたい

こんな方におすすめです。

印刷方法は大きく3つに大別され、冊数との兼ね合いでコストが上下します。

またホッチキス留めの中とじ製本か糊付けの無線綴じ製本か、といった製本の種類によっても価格が変わりますので注意しましょう。

印刷所では特殊加工オプションが利用できます。

自宅印刷ではまず不可能な箔押しやエンボス・マットPP加工を利用したい場合は印刷所ですね。

オフセット印刷

オフセット印刷

オフセット印刷は他の方法と比較して印刷の質が高く、美術関連書籍の印刷にも使われる方法です。

一つの「版」を作って印刷するので仕上がりが安定していて、大量印刷に向いています。

「版」を作るのに時間とコストがかかるものの、版は印刷中ずっと使えるわけです。

つまり、印刷すればするほど1冊あたりの版コストは下がっていきます。

とある印刷所にて100Pの文庫本を300冊印刷した場合、オフセットと後述するオンデマンドで一冊の単価にどれくらい差が出るか見てみましょう。

    • オフセット印刷:280円/冊
    • オンデマンド印刷:300円/冊

1冊あたり20円の差ですが、300冊となれば6,000円の違いが出ます。もっと印刷部数が増えれば両者の差は開いていくはずです。

こんなときはオフセット印刷

  • とにかくキレイな1冊に仕上げたい
  • 大量に印刷して沢山のファンに頒布したい

オンデマンド印刷

色設定

オンデマンド印刷は、一般的なレーザープリンターをイメージすると分かりやすいかもしれません。

版を作らず、デジタルデータをそのままトナー印刷します。

とにかく仕上がりが早く、名刺のスピード印刷などにも使用されるのがオンデマンドです。

版コストがかからないため安く済みますが、部数が増えてもコストが下がりません。

とある印刷所にて100Pの文庫本を30冊印刷した場合を例に取ってみましょう。

    • オフセット印刷:1,820円/冊
    • オンデマンド印刷:936円/冊

これは驚きの結果ですね!1冊の単価はオフセットの半額ほど。少部数ならオンデマンドに軍配が上がります。

小説本の場合、本文は黒字印刷になることが大半ですから、オンデマンドとオフセットの質の違いはほとんど気にならない程度といえるでしょう。

こんなときはオンデマンド印刷

  • 仲間におすそ分けできればいい
  • 急いで製本したい

デジタル印刷

cymk

近年新たに加わったのがデジタル印刷です。

オンデマンド印刷もデジタル印刷の一種ですが、こちらは例えるならインクジェットプリンターのイメージです。

オンデマンドよりも低価格で素早く仕上がります。

水性インクを使用しているため「紙」に与える影響が大きく、用紙が波打ちやすい、折り目のインクが落ちやすい、インクがにじみやすいといった特徴があります。

とはいえプロの手で印刷から製本まで実施するので、これらの影響を最小限に抑える工夫がなされているようです。

本文はデジタル印刷、表紙やカバーをオンデマンド印刷といった具合に使い分ける方もいます。

こんなときはデジタル印刷

  • とにかく安く済ませたい
  • 印刷はともかく製本はプロにお願いしたい

自分で印刷・製本にチャレンジ

ノート

さほど厚みがない本なら自分で本を作ることも可能です。

箔押しやホログラム印刷といった特殊な印刷はできませんが、小説本文の印刷なら十分でしょう。

印刷サービス店で印刷・製本

共有スペース

印刷サービス店として有名なのがキンコーズ・ジャパンです。

印刷にまつわる様々なサービスがあり、高性能な機器を個人単位で使用できます。

自主製本でよく使われる「中とじ製本」は、印刷の順番を間違えると大変……。

キンコーズには中とじ専用のプリンターがあるため、失敗が避けられます。

また製本の際は紙を重ね合わせたり折ったりと、それなりのスペースが必要です。

キンコーズは作業スペースも完備されています。

またPCもレンタルできるため、その場でデータ編集が可能です。

コピー・プリント・ポスター・名刺・製本 – オンデマンド印刷のキンコーズ・ジャパン

コピー・プリントから製本・パネル・ポスター印刷等を「1枚から」24時間サポート。お急ぎの名刺・宛名入り年賀状印刷はWEBからもご注文が可能です。オンデマンド印刷は安心・スピーディーなキンコーズ・ジャパンへお任せください。

コンビニ印刷

コンビニのプリンター

複合機が安価になったとはいえ、ランニングコストがかかるため自宅にプリンターを持たない方が多いのではないでしょうか。

最近はコンビニ印刷が高機能になっており、先程の中とじ印刷ができるコンビニも出てきています。

例えばセブンイレブンでは同人誌制作にコピー機を利用してもらいたいと、特設ページも開設しているんです。

セブン‐イレブンのマルチコピー機で同人活動をもっと手軽に・もっと楽しく!

24時間・年中無休のセブン‐イレブンのマルチコピー機の小冊子プリント機能を使って、1冊・1枚からあっという間にコピー本が作れます。必要な時に、必要な分だけ印刷して、同人活動をもっと手軽・もっと楽しく!

意外なのが紙質の良さ。自宅にあるコピー用紙よりも格段に良い紙が使用できるため、印刷結果も良好です。

またSDカードやCD-Rといった記憶媒体はもちろん、スマホからクラウド経由でデータを送ることもできます。

コンビニ印刷の場合、製本はその場でせずに自宅で行いましょう。

自宅のプリンターで印刷

自宅のプリンター

何といっても手軽なのが自宅のプリンター印刷です。

一般的な家庭用プリンターはA4サイズが最大で、最小は名刺サイズ程度。

これだけレンジが広ければ様々なサイズの本が制作できます。

表紙はオンデマンドで依頼して、中とじ本文を自宅印刷、ということも可能です。

また印刷所ではオプション扱い、コンビニでは不可能な「用紙替え」も気軽にできますね。

小説本にカラー挿絵を入れる場合、こちらも印刷所ではオプションとなり、かなり値段が上がります。

自宅印刷なら好みのレイアウト・好みの色で印刷することが可能ですし、1枚あたりのコストを気にしなければ失敗も許せます。

小説が本になる感動をまずは味わって!

窓際

ちょっとお試しで……、という段階で印刷所に依頼するのはなかなか勇気がいるものです。

まずはデータのレイアウトを整えて、自宅のプリンターやコンビニのコピー機で印刷してみましょう。

思いの外「本物感」があり、感動を味わえます。

印刷してみた結果、紙の色を変えたい、もっと大きなサイズにしたいといった希望が出てくればそれに合わせて製本方法を変えていきましょう。

noveRe:は小説本制作のノウハウも持っています。

お困りのことがあればご依頼に合わせてお気軽にご相談ください。